循環型社会の家造り-18
2019.01.23
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ブログ
木材は燃えるときに全体で燃えていくわけではありません。
表面から火がつき徐々に内部へ進んでいきますが、表面が燃えている状態のときでも内部はまだ何の変化も起こってはいません。
先ほど述べたように木を形作るストローの中は、常に空気で満たされているため熱が伝わりにくく、表面からしか燃えていかないのです。
火によって木材の断面が表面から減少していく速度は、一分間で0.6から0.8ミリメートルです。柱や梁に火がついてから20分後でも、木材は周囲から16ミリメートルずつ細くなった状態で芯の部分は残っており、強度の50%は保持しています。
構造体としてはまだ形をとどめているのです。
かたや鉄やアルミなどは、10分もたたずに融解点を越えるためにストンと強度が落ち、20%ほどの強度も保たれてはいません。つまり短時間で急激にアメのようになってしまい、当然構造体としての形はとどめられません。
しかしそれでも「鉄は燃えない」ということです。
実際の火災においては、家財道具や燃料などの家の中のものが大きく影響するのでこれほど単純には比較できませんが、火災の際に安全かどうかの分かれ目がこの「燃え落ちるまでの時間」であることに間違いありません。
それは材料自体が燃えるか燃えないかの違いではないのです。