循環型社会の家造り-29
2019.01.282-4、「断熱」のジレンマ
断熱とは熱を逃がさない、熱を入れないという単純なことです。
家を断熱化するというのは、家の中の熱を逃がさない、同時に外の熱を入れないということです。
私達は断熱さえしていれば、夏涼しく冬暖かいと思い込んでいますが、はたして本当にそうなのでしょうか。
たとえば夏、断熱だけされた家の中ははたして涼しいでしょうか?
室内には日射が入り、外気も影響します。
当然、生活熱も発生します。断熱はこうした室内に発生する熱を外に逃がさない役目をするのですから、室内には熱がこもり暑くてたまらないということになるはずです。
これを「高断熱住宅は夏涼しい」というためには「エアコンを使用した場合は」という前提が必ず必要なはずです。
つまり、外気温が高い日でもエアコンを使っていったん室温を下げれば、下げた室温は外に逃げにくくなりますよ、ということです。
エアコンを使用しない夏場の高断熱住宅は、ありえないのです。
冬場はどうでしょうか?
断熱とは熱を入れないということです。
冬場においてもサンサンと照りつける太陽熱は室内には取り込まずに拒絶するということです。
室内で発生する熱だけではさすがに冬場は寒いでしょうから、ここでもやはりストーブやエアコンなどを使うことが前提になります。
そしていったん上昇した熱が外に逃げにくくなるだけのことです。
このことは「石化エネルギー消費の抑制」にはなりますが、夏場においては風、冬場においては太陽の「自然エネルギーは無駄にしている」ということです。