SDG’Sを目指して -76【なぜ今、のびやかな空間なのか?】
2021.10.09
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3-7、脱個室と「間」の発想
個室偏重の家造りが、弊害を招いてきたことは述べたとおりです。
まず家造りに際しての視点を変えてください。これまで家族個々で「私の・・・」という視点を、家族単位での「私達の・・・」という視点へです。
住まいというものは、家族全員が共に生活するための器です。当然その単位である家族全員のための空間から発想すべきです。
具体的には個々人の個室の集合体にしないために、「個室の足し算」で計画しないことです。逆に家全体をひとつの空間ととらえ、時間を含めてそれをどのように「割って使うか」という発想を持つことが大切です。
簡単に言えば、日本で昔から使われていた「間」の発想を持つことです。
常には開放してある空間の一部を、必要な時間に必要に応じて仕切り「食事の間」とか「接客の間」として使うという発想です。
個室の集合体として発想すると、すべての機能を各室に求めることになります。そうなれば必要と思う個室は、予算と規模が許すだけ欲しくなるのです。そしてその機能が必要な時間というのは、必要ない時間に対して圧倒的に少なく、また現状では予算や規模が無制限などという方はなかなかいませんから、常にそれぞれの部屋が狭いと感じてしまうことになるのです。