子ども室はどう考えるべきなのか?
「子育てのための家造り」に直接関係するのが子ども室です。
この子ども室が、あなたの教育方針を正しく具現化したものになっていなければ、大切な目的は果たせなくなってしまいます。
一昔前であれば何も考えずに「子ども室は洋間の個室にしてエアコンを付けて快適に造れば良い。」というのが一般的でした。
今でも住まいが3LDK、4LDKと数えられている事実を見ると、特に子ども室を個室の部屋数として考える風潮は、あまり変わってはいないかもしれません。
しかしながら、あなたが建てる予定の住宅が自由な設計の注文住宅ならば、決してこの窮屈な考え方に縛られる必要はありません。
もう十数年以上前から社会問題になっている「ひきこもり」。
この問題に、住まいの中で快適に何不自由なく造ってしまった個室の子ども室が、大きく関わっている事実を認識しなければなりません。
人間の行動は、環境によって決まります。
想像してみてください、エアコン付き、テレビ付きの快適な個室を与えられた子どもが、自分が出たい時にだけ個室から出てそれ以外はこもっていた方が煩わしくない環境に置かれるのです。
この場合の煩わしさには世間や学校や、ご家族に対するものも存在するのです。
まだ精神的に未熟な状態のお子さんを、このような状態に置くことが果たして良い事なのでしょうか? 「個室」は本当は孤独な部屋『孤室』になってしまうのではないでしょうか?
これから家を建てる人こそ、今まで一般的に個室で当たり前と捉えてきた子供室を、というよりも家族の中でお子さん自身とどのように関わっていくのが良いのかを、本音で考えるべきなのです。