すべてを「住い」で語ってはいけない!
2018.07.30私は『住まい』を造ることを生業にしています。これこそが自分のやるべき事として30年も住まいについて考え続けています。
そんな自分が「住まい」と言った場合、それは「木造の注文住宅を造る」という前提での話をしています。
当然、それぞれの事情が違うお客様のオーダーで造る木造住宅です。それぞれの事情を良く聞き、それぞれに適した提案をしているつもりです。
ですから同じように「住まい」をマンションなどにしている人たちには、まったく的外れな意見になってしまいます。
今、天竜杉と自然素材だけでこの酷暑の中でもエアコンも無い建物で仕事をしています。造り方次第で、このような家も可能なのです。
しかしながらマンションなどは売られる時にすでに個室の集合体になっているし、開口部や窓の位置や大きさまでが決まったとおりです。
この中に独自に通風をとるなどは不可能な話で、もちろんその生活はエアコンを使う前提になります。
つまり開口部が大きな木造の一戸建てと大きく造られる鉄筋コンクリートの箱とを、同じ『住まい』で論じること自体が間違っているのです。
同じように同じ木造の一戸建てでも、建て売り住宅のように、万人向けの個室ばかりを造った家と同列で論じることも間違っているのです。
どうか、せっかく注文住宅というあなた自身の個性をプランに反映できる手法を選ぶのであれば、既製品のマンションや建売住宅のように個室だけの集合体として、あなた自身のお城を造らないようにして頂きたいのです。
そのためには、一般的と言われるマンションを含んだ「住い」を、木造の注文住宅と同じ畑で論ずることをやめなければならないのです。