なぜ、パッシブ住宅か?-19

2019.10.21
category: ブログ

いずれにしても「室内の通気」は、家全体をひとつの空間と考え、必要に応じて仕切るという考え方が基本になります。

②夏モードの壁体内通気・・・

次は壁体内に風を通す工夫です。

一般的に木造住宅は、壁でも天井でも床でもその面を構成する面材(つまり石膏ボードや合板など)の中は空洞になっています。
つまり床下、壁内、天井内、屋根裏などはすべて空間になっています。

これらの空間は、普通に造ってもどこかしらでつながっているのですが、これを計画的に最低2センチメートル以上の通気層をつくってつなげます。
計画的に風を通すためには、これらの空間が外部とは遮断される必要があります。
この意味においては『季の家』も気密化住宅ではあるのですが、そのC値は2~3.0というところでほどほどの気密といえるものです。

またこれらの空間を室内の温熱に作用させるためには、この家の断熱がこれらの空間の外側で、床下から(つまりは基礎部分から)屋根面まで断熱されることが必要になります。
外断熱にする必要はありませんが、壁内に空間を確保するために断熱材は高性能のボード系断熱材を使用する必要があります。

具体的には『季の家』では、公庫仕様書中のF種という最高ランクのボード系断熱材を使用しています。
この意味においても『季の家』は高断熱住宅でもあることが前提になっています。

さて、外部から遮断されたこの床下、壁内、天井内、屋根裏の空間に計画的に、常に下から上に向かって風を抜く工夫です。