循環型社会の家造り-22

2019.01.23
category: ブログ

さて、この機械で強制的に乾燥させた材はキルンドライ材(イニシャルを取ってKD材と呼ばれます)といわれ、前述の標準材(グリーン材)と区別されます。
その含水率は、15~20%でほとんど平衡状態に近い状態まで乾燥させています。

つまり強度は最高の状態で収縮がほとんどない木材だということです。

もうひとつ大切なことは、その性能が明示されているということです。
先ほど未乾燥国産材の欠点が含水率の高さだと述べましたが、それよりもその含水率が一本ずつバラバラであり、その数値がまったくわからないことのほうが問題かもしれません。
木は生き物ですから、自然乾燥だけでは当然乾燥の度合いにバラツキが出てしまいます。

含水率30%の柱に50%の梁を組んでいた、なんてことは当たり前に行われていたはずです。
材の一本ずつで収縮変形の度合いが違うのですから、家の変形の度合いも偏りが出てしまうのです。

私達の郷土の山天竜では、多くの乾燥機と共に龍山村に数年前からグレーデイングマシンという機械があります。

これは乾燥、製材された木材の一本一本を自動計測して、その木材の強度(ヤング係数という数値です)と含水率を直接印字する機械です。
もちろん含水率や強度が基準を満たさない木材はそこではねられることになります。