循環型社会の家造り-33

2019.01.30
category: ブログ

いずれにしても機械での換気が前提です。ここで機械換気での弊害を述べておきます。

ショートサーキット・・・空気の近道反応といわれるものです。

 換気の目的は、室内の空気を外部の空気と交換することです。
今、換気扇を回して近くの窓を開けておくとします。外は無風という状態のとき、室内の換気はされているでしょうか。
答えはノーです。空気は換気扇の近くの窓から吸い込まれ、すぐに換気扇で外に押しやられます。換気扇のまわりの空気だけがグルグルと廻っているだけで、結果として部屋全体の空気は入れ替わってはいません。

 換気量だけ見れば、確かに換気扇を通過した空気の量は設計どおりです。
しかしながら室内全体の空気の入れ替えという、換気本来の目的はまったく果たしていません。

空回り、逆流・・・部屋の窓をすべて閉めて、スキマもない部屋で換気扇を回すとどうでしょうか。
空気が出て行ったとしたら、部屋は真空状態になってしまうはずで、そんなことにはなりません。

つまり換気扇は、プロペラが空回りしているだけで、何の役にも立っていないのです。
では、外部から排気口に向かって強風が吹いた場合はどうなるでしょうか?自然の強風に勝てるほどの風力は機械にはありませんから、結果として逆流現象が起こります。
特にダクト式の換気扇の場合、この逆流現象で普段からダクト内にたまっていたホコリやチリが、室内に噴き出すということがよくあります。

これらはダニやばい菌の温床でもあります。
シックハウス対策で付けたダクト式の換気システムが、逆に健康を害する結果になりという例は各所で起こっているようです。