循環型社会の家造り-38

2019.02.06
category: ブログ

建物としての「二重通気」・・・

 夏場において「冷」を確保するために、自然の風(通風)を最大限利用することを目指します。
その風の通り道としてまず、「室内」と「壁体内」の二重の通気を考えます。

①夏モードの室内通気・・・

 まずは室内に「風を入れ―分配して―通過させ―出す」ということからです。

 風を上手に取り込むためには、その地域の気候条件を把握し、特に夏場の風向きを考慮したプランニングをすることです。
 一般的には夏場の晴天時は、常に南西側からの風があります。
これをなるべくストレートに室内に導けるように、開口部の位置と大きさを考えます。

この風がなるべく直線的に抜けていけば風量は増します。
ですから対角となる北東側には当然、風の出口としての開口部を設けることになります。

 これはことさら特別なことではなく、通風を考えてプランニングさえされていれば、従来のプランニングとまったく変わらないことです。
しかしながら、この「風の通り道」を明確に計画できているかどうかが問題なのです。

またこのとき、直射日光の影響を受けないように庇を設けたり、風だけが抜けて視線は遮るようなガラリやスダレを付けたり、庭の植物を利用して風向きを操作するなどの設計手法も大切な要素となります。