循環型社会の家造り-42

2019.02.11
category: ブログ

次は風の排出口です。
当然、屋根裏のなるべく高い位置に、開閉可能な窓のかたちで取り付けます。

このとき同じ位置で、南北対象に2ヵ所以上取り付けるのが原則で、実際に『季の家』では計4箇所の設置を標準仕様にしています。
また、この開閉の動作を2階室内でできるように、ペアガラス仕様のジャロジーをチェーン操作で使っています。

さて、先ほど下からの圧力で風が上に運ばれると言いましたが、実際にはある程度の風がある日には、この排出口からの引き抜き効果のほうが高いかもしれません。

いずれにしてもこの床下の逆止弁付の給気口と、屋根裏の開閉可能な排出口によって、24時間休むことなく新鮮な涼しい空気が床下から屋根裏へ向かって吹いている状態になるのです。

この空気の移動の際に接している床面、壁面、天井面は熱を奪われます。
熱を奪った空気は暖められ対流現象によって流れを加速する側に働き、逆に熱を奪われた内装材は冷やされて表面温度が下がります。

同じ室温であっても、まわりの内装材の表面温度で感じる熱量は違います。
またその作用によって徐々に室温も変わっていきます。最初、同じ室温であってもまわりの内装材の表面温度が低ければ、室温は徐々に下がっていきます。

この効果によって、壁体内に通す風の力で室温を下げることができるのです。