３－４、問題のキーワード

　こうして見てみると、どの問題も直接原因は各事例ごとに異なり、取り巻く環境もさまざまでしょうが、一つの大切な「共通のキーワード」が浮かんできます。
　そう、それは『子供と家庭』です。

　問題として現れてきたときの当事者は大人であっても、引き起こす要因となっているのは、子供時代の心の傷（トラウマ）です。

　それは単に家庭環境が劣悪だったか、裕福だったかということだけではなく、子供が家庭の中で親兄弟や祖父母と、どのように関係しながら成長してきたかという問題です。
　次の世代に後悔を残さないようにするためにも、今、親として子供との関係を真剣に考え、行動するべきではないでしょうか。

　『子供と家庭』を考えるとき、その器になるのが『住まい』です。

　住宅そのものが影響するというよりも、どのような住宅の中で生活するかで、家族の行動パターンが変わってくるということです。