SDG’Sを目指して -32【なぜ今、パッシブ住宅なのか?】

2021.09.15
category: ブログ

断熱とは熱を入れないということです。冬場においてもサンサンと照りつける太陽熱は室内には取り込まずに拒絶するということです。室内で発生する熱だけではさすがに冬場は寒いでしょうから、ここでもやはりストーブやエアコンなどを使うことが前提になります。そしていったん上昇した熱が外に逃げにくくなるだけのことです。

このことは「石化エネルギー消費の抑制」にはなりますが、夏場においては風、冬場においては太陽の「自然エネルギーは無駄にしている」ということです。

 

夏と冬のジレンマは、昼と夜とのジレンマでもあります。

冬場の昼、太陽熱を取り込みたいのに取り込めない。同様に夏場の夜は、せっかく冷えた外冷気も家の中には取り込めません。室内にこもる熱はますます逃げられず、結果として24時間常にエアコンを使う生活になるのです。

 

高断熱化住宅などというといかにも先進の家のように感じてしまいますが、こうして考えてみれば何のことはない、昔のスキマ風だらけの家が持っていたジレンマを逆にしただけの家なのです。つまり昔の「夏涼しく冬寒い家」が、「冬暖かいが夏も暑い家」になっただけの話なのです。建物そのもので見れば、熱のジレンマが逆転しただけで質的には何の進歩もないのです。むしろ家が腐りやすくなったり、湿気やシックハウスに悩まされるようになった点で、質的には低下したとも言えるのではないでしょうか?