SDG’Sを目指して -6
2021.09.05かたや『人工林』とは、建築資材などの目的のために先代の人々が植林し、下草刈りや間伐作業などの多くの手を入れることによって育ててきた森です。天然林とは逆に多くの人の手が入ることで森の機能を維持できる森なのです。国内のこの「積極的に活用すべき森」がどんな状況であるのかは後で述べます。
環境問題が語られる際「環境保護のために木を切るな」といわれて問題になるのは『天然林』のことであり、これを『人工林』を含めた森林すべてと誤解されてしまうと伐採そのものが環境破壊と思われてしまいます。国が期待する「積極伐採による二酸化炭素削減」とは、まさにこの『人工林』を対象にしてのことなのです。
日本において2つの森の構成は「天然林」が約50%弱、「人工林」が約50%強といったところです。国土の3分の2が森林であると言われていますので、この問題は環境問題であると同時に国土の3分の1以上に関する重要な問題だということです。
さて、なぜ人工林の積極伐採が二酸化炭素削減になるのかというと、現在日本では「森林の伐採は二酸化炭素の排出」と評価されているので誤解を招くのです。
実際には、木は伐採された時点では1CCの二酸化炭素も出しません。炭素を貯蔵したまま建築材料などとして存在します。言い換えれば木材は二酸化炭素のタンクなのです。木材として存続している以上けっして二酸化炭素を放出することはなく、唯一廃材となって燃やされたときにだけ二酸化炭素を放出します。