だから無垢材という選択を

なにで造るのか

新建材が表面だけの張り物の偽物であるのに対して、中までが一体の本物というものがあります。

 無垢の木材です。

 ドアやドア枠、窓枠からフローリングまでも無垢材を選択することは可能です。

 フローリングなどはむしろ樹種(木の種類)の違いや、塗装の有無によってその色や光沢や肌触りの違いを変えて楽しむことができます。

 どこまで行っても無垢ですから表面の傷を気にする必要はありません。むしろ想い出となって残るくらいです。

 木造の住宅の材料ですから、まさにこの無垢の木材こそが本物の材料と言えるのです。

ただし、無垢材の特徴をよく理解することが大切。

 実は無垢材が住宅の材料として良い物である事など、住宅産業は知っていたのです。

 しかしながら、経済性と合理性至上主義から手間の掛からない安価な新建材へと流れたのですが、実はもう一つ重要なファクターがあります。

 それは無垢材の、材料として本物で自然の物であるがゆえの特徴です。

 無垢材は材料として建物に固定されてからも、木そのものなのです。

 つまり、湿気の高いときには伸びるし、乾燥すれば縮むし、すべてそうなるかと言えばそんな事はまったくない場合もある、という事です。

 材によってこれほどの個性がある材料では、とても全国区の量産型住宅では使えなかった訳で、実はこれが新建材主流の家造りばかりになってしまった真の理由です。

もともとクレーム産業と呼ばれた業界ですから、お客様のクレームになる可能性がある事は極力排除してきたという歴史の賜物なのです。

 ですから無垢材を住宅の材料として選択する以上、このような『動く材料』である事を十分理解した上で、歪んだら削るという事ができる地場の工務店とのお付き合いの中でしか使う事ができない材料である事を、よく理解して使っていただきたいのです。