なぜ今,旅館風呂なのか?

どう造るのか

住宅の浴室やお風呂を決定する時、ユニットバスを選択される多くのお客様は「浴室のメンテナンスが楽だから・・」「お風呂の手入れが簡単だから・・」「皆さんの浴室がそうだから・・」という「楽で手間いらずで一般的」という理由で選ばれています。
(※実はこれらの理由の内の一部は真実ではなく、誤解によるところもあるのですが… )

 つまり風呂や浴室を検討する時、どなたも自宅の浴室でバスタイムを家族で楽しむために積極的にユニットバスにしました、という意見ではないのです。

 それでは皆さんは浴室や風呂のメンテナンスが楽で手間を掛けないために家造りをするのでしょうか?
 いやいや本来であればメンテナンスを気に掛ける前に、日々の暮らしの中で食事や入浴や就寝のステージをいかに演出して愉しむか、という積極的なところから家造りは考えるべきではないでしょうか?

 風呂や浴室はそれが象徴的に現れるところなのです。

「在来浴室」というのは昔ながらの在来の工法で造った浴室という意味です。

 ここで申し上げたい事は、単に浴室の工法をユニットにするか在来にするか、という事ではありません。

 家造りを始める際に浴室や風呂の選択で、何の疑問も持たずにユニットバスを選択し、暮らしに潤いをもたらす工夫をする事もなく、浴室を造るという選択肢さえ知らずに家造りしてしまう方々に、一瞬でも立ち止まって考えていただく機会を持っていただきたいのです。

 アズは、浴室や風呂ばかりか機能と利便性だけが優先されユニット化がどんどん進んでいく住宅産業界のアンチテーゼとして、暮らしの潤いや愉しみを最優先した家の象徴として、地場の職人さん達が手間を掛けて現場で造り込んでいく建築手法の浴室や風呂を、あえて『旅館風呂』として建築する住宅の提案をさせていただいています。