インナーテラス考

どう造るのか

 「土間」と聞くと、日本の伝統的な農家の風景を連想される方が多いかと思いますが、アズが住宅設計に取り入れているのは、懐古主義的な和風テイストのアレンジではなく、土間が元来果たしていた役割や機能性です。

 かつて、土間は家の外と中とをつなぐ中間の場でした。

 また、収穫した作物の加工や、道具の手入れなどを行う作業空間であり、それらを収納する役割も果たしていました。

 これらの機能性を現代の生活に合わせてデザインしていけば、玄関から自転車やスキー板、ガーデニング用品など、趣味の道具を直接運び込み、メンテナンスや収納ができるスペースとなります。

 また、土間の中にキッチンを設け、中庭とつなぐことで、靴を脱ぐことなく、家庭菜園で収穫した野菜をそのまま調理できるという、新しい生活動線が生まれます。

 単に新しいスタイルを創造するだけでなく、長年にわたって、日本の住宅設計に関わり、そのかたちを学び続けて来たからこそ、その魅力を新たな時代へと提案できるのです。

さあ、あなたの新たな住まいにも、土間=インナーテラスを取り入れてはいかがでしょう