個室主義をやめて吹抜けの大空間を!
具体的には個々人の個室の集合体にしないために、「個室の足し算」で計画しないことです。
逆に家全体をひとつの空間ととらえ、時間を含めてそれをどのように「割って使うか」という発想を持つことが大切です。
簡単に言えば、日本で昔から使われていた「間」の発想を持つことです。
常には開放してある空間の一部を、必要な時間に必要に応じて仕切り「食事の間」とか「接客の間」として使うという発想です。
個室の集合体として発想すると、すべての機能を各室に求めることになります。 そうなれば必要と思う個室は、予算と規模が許すだけ欲しくなるのです。
そしてその機能が必要な時間というのは、必要ない時間に対して圧倒的に少なく、また現状では予算や規模が無制限などという方はなかなかいませんから、常にそれぞれの部屋が狭いと感じてしまうことになるのです。
この開放的な「間」の発想からスタートすると、逆に生活の中で24時間孤立した部屋が本当に必要かどうかを考えることになります。
「子供室は個室で・・・。」と何の疑いもなく言われていますが、はたして子供が遊んでいる空間や勉強している部屋が、周囲から孤立してなければならないでしょうか?
「寝室は当然個室で・・・。」と言われますが、昼間も閉め切っていなければならない理由などどこにあるのでしょうか?
この空間を仕切るという発想を縦の空間に当てはめたものがスキップフロアです。
つまり、吹抜けでつなっがった1階と2階のフロアを、オープンな空間の中で上下につなげるのがスキップフロアの役割です。
言い換えれば、吹き抜け内にある階段の大きな踊り場です。そこを部屋として使用するのです。
この吹き抜け内の中二階は、上下に大きな空間をより有効に使う事になるのと同時に、見た目に空間の面白さを演出してくれます。
趣味室にしたりスタデイルームにしたり用途は多様です。
広々としたスキップフロアののびやか空間は、きっと生活にゆとりと面白みをもたらしてくれるはずです。