これまでの住宅が生んだ社会問題

なにで造るのか

 シックハウス問題は、住宅の主に内装材に何を使ったかに関係してきます。
 住宅で大量に使われる代表格が建材類です。

 問題発覚当初は新聞報道によって、ビニールクロスとその接着剤に含まれるホルマリンだけが悪者のようにされたので、誤解をしている人が多いのですが、前述のように問題を引き起こす化学物質は多種多様に渡っているのです。

 国は法律でホルマリンだけを規制して、これを含まない建材を4つ星商品として流通させ、4つ星商品であればどう使ってもシックハウスにならないかのように言っています。
 しかしながら危険物質は、ホルマリン以外に星の数ほどあるのです。

 徐々に規制品目は増えていくのでしょうが、所詮工場で作られる工業品である以上、何らかの化学物質が含まれるのは明らかなのです。 おそらく、危険物質と疑わしきものの規制をすべて行えば、建材産業や住宅産業はまったく成り立たないものになってしまうでしょう。

 つまり、工業生産品である建材というものすべてが、100%安全とは言い切れないということです。

 次に塗料です。

 すでに原因物質にトルエンやキシレンが含まれていますので、石油から作られた有機化合物系の塗料は、すべて危険物質です。

 最後に薬剤、というべきか毒薬というべきものです。
 つまり、住宅建設で直接薬剤を使うということは、ほとんどが殺虫剤、殺鼠剤などの生物を殺すために使われるものだからです。
 どれほど少量とはいえ、床下に使うとしても、生物を殺す能力があることは変わりません。住んでいる人の健康を、侵していく方向にしか作用しないことは明らかではありませんか。

 このように書いてくると、現在一般的に行われている住宅建設というものは、実に恐ろしいものだということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
 実際問題として、シックハウスはこのような住宅によって、起こるべくして起きたのですから。