シックハウスの症状とは?

どう考えるのか

 この症状がシックハウスだという、固有の症状はありません。また、個人差も大きく、複数の症状が組み合わされて出てくることもあります。

 一般的には、次のような症状がでます。

・慢性的な疲労 ・思考力の低下 ・頭痛 ・注意力の低下 ・意欲の低下 ・寝つきが悪い ・寝起きが悪い ・イライラ ・怒り、感情の爆発 ・発汗異常 ・手足の冷え ・不眠 ・不安 ・うつ状態 ・のどの痛み、乾き ・下痢 ・便秘 ・皮膚炎 ・喘息 ・自己免疫疾患などです。

 敏感に反応してしまう要因としては、遺伝的要因、健康状態、環境因子などが作用すると考えられています。

 このような意味からはアレルギー疾患に似ているともいえますが、アレルギーが身体そのものに症状が出るのに対して、シックハウスは情緒や神経などに作用することが多いようです。

 また、アレルギー的な性格のほかに、少量の化学物質を被爆し続けると、体内に蓄積し慢性的な症状を引き起こすという、中毒症状に近い性格も兼ね備えています。

 シックハウス症候群、化学物質過敏症は、まだまだ未解明な点が多い病気なのですが、それはこのようにアレルギー性と中毒性の両方にまたがる病気である事や、アレルギー反応と急性、慢性中毒の症状が複雑に絡み合っている疾患であることにもよるのです。

 この病気の発症の仕方は、よくコップの水に例えられます。 コップは私たちの体、水は化学物質です。毎日1滴づつでも水をコップに注いでいると、いつしかコップは水でいっぱいになります。この時点が発症前夜です。

 そしてもう1滴だけ水を注ぐと水はあふれます。その後は1滴でも2滴でも水が注がれれば水はあふれるのです。ほんの少量の化学物質でも、発症してしまう体になってしまうのです。

 特別な人だけがコップになってしまったのではなく、人はみんなこのコップであって、たまってゆく水の量と、コップの大きさに個人差があるだけなのです。

 つまり、みんな明日発症しても何の不思議もないのだということなのです。