循環型社会の家造り-25

2019.01.24
category: ブログ

2-2、「省エネルギー住宅」ということばの間違い

 今のように地球環境の問題からではなく、経済問題から「省エネルギー」が叫ばれた時代がありました。
日本では高度経済成長期の真っ只中で起こった「石油ショック」です。

我れ先にトイレットペーパーに群がる群衆のフィルムを見ても、当時の危機感が伝わってきます。
国は当然の施策として「省エネルギー」を推進し、住宅にも「省エネルギー住宅」なるものを押し付けてきました。

 「スキマ風だらけで冬が寒いから石油をたくさん使うのだ。家の断熱化と気密化を進めれば石油消費が減り、省エネルギー住宅になるのだ。」というものです。
 つまり「省エネルギー住宅」とは、冬場の石油消費を削減する為の、断熱化、気密化住宅である、という定義をしてしまったのです。

 当時の断熱材はせいぜい厚さ50ミリメートルの繊維状のグラスウールです。
これを密閉された壁の中に押し込みました。
この中途半端な断熱化が、壁内結露の問題となり住宅の短命化を促しました。

 問題が発覚するたびに改良工法が生まれ、それなりの改善はされてきましたが、現在に至っても平気で同じ過ちを繰り返している住宅は見られます。
 その後、たびたび起こった石油危機のたびに省エネルギーは声高に叫ばれ、住宅は冬場の断熱性能だけで省エネルギー性能を語られるようになってしまいました。

 また断熱化と合わせて気密化という考えも、同時に推進されました。