循環型社会の家造り-41

2019.02.11
category: ブログ

 またこれらの空間を室内の温熱に作用させるためには、この家の断熱がこれらの空間の外側で、床下から(つまりは基礎部分から)屋根面まで断熱されることが必要になります。
外断熱にする必要はありませんが、壁内に空間を確保するために断熱材は高性能のボード系断熱材を使用する必要があります。

具体的には『季の家』では、公庫仕様書中のF種という最高ランクのボード系断熱材を使用しています。
この意味においても『季の家』は高断熱住宅でもあることが前提になっています。

さて、外部から遮断されたこの床下、壁内、天井内、屋根裏の空間に計画的に、常に下から上に向かって風を抜く工夫です。

まずは風の取り込み口です。
もちろん床下に設置します。
この床下給気口に仕掛けがあります。
これまで在来工法で使われていた「地窓」は、単に防虫網の付いたスリットでした。
これでは床下だけには風が入りますが、同時に床下から抜けているだけで床下だけの通気には役立っていましたが、構造体すべての通気はできていませんでした。
そこでせっかく入ったこの風を、逃さずに屋根裏まで運ぶ工夫が必要なのです。

その仕掛けが「逆止弁」です。
つまり『季の家』の給気口には逆流防止の弁が付いているのです。
振り子の原理を応用したこの弁は、入ってくる風の力だけで動き、もちろん電気も機械も使いません。
逆に出ようとする風の力で押し付けられて、弁がフタをする仕組みになっているのです。

また、基礎はベタ基礎になっていますので、いったん床下に入った空気は外気温よりも低い温度のコンクリートによって、温度が下げられます。
床下から入るばかりで出口のない涼しい空気は圧力を持ち、逃げ場を求めて上に押し上げられます。
つまり床下から1階の壁内へ、壁内から天井裏へ、天井裏から2階の壁内へ、そして屋根裏へとです。