循環型社会の家造り-75
2019.03.25
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ブログ
日本の住まいは、住まい自体を開放的に造るのと同時に、これらの呼吸する素材を総合的に配することで、「呼吸する住空間」をつくりだしていたのです。
シックハウスという問題が、住まいを密閉化して化学物質の素材を使ってきたことで発生したのとまったく対照的で、「呼吸する住空間」という考えがいかに健康的なのかが分かります。
人間だって呼吸しなければ死んでしまうのですから、当たり前といえば当たり前の話ですよね。
さて、この「呼吸する素材」は、住空間にどのように影響するのでしょうか?
一つの実験があります。
まったく同じ大きさの箱を2つ、一方は金属で、他方は木でつくり、中の気温と湿度を同じにします。
その後、両方の箱の気温を下げていきます。
すると、金属に箱の湿度はどんどん上昇していくのに、木の箱の湿度は一定に保たれたままになるという実験結果があります。
一般に気温が低下すれば湿度は上がるのですが、「木の箱ではその湿気を木が吸収していた」ということです。
どうも「呼吸する素材」は、住空間の湿度に大きく影響するようです。