天竜産の人工乾燥材を使うということ

なにで造るのか

 木造の家を造る材料としての木材を考えた時、国産の木、郷土の木であれば何でもよいのでしょうか?

 家の構造材としての木材は、前述の環境問題や情緒的な根拠から選択されるべきではありません。

 事実、同じ天竜産の木材でもアズが使用している「しずおか優良木材」は従来流通していたものとは全く違うものなのです。

 その大きな違いの一つは「含水率」です。

 従来の国産材は山で切られた後、すぐに丸太にされ、製材され流通していました。そのためもともと植物である木材が持つ水分量である「含水率」は30~40%、またはそれを上回るものまで流通しており、つまりは含水率など分かって流通してはいなかったのです。

 そんな水分を持った木で家を建てていた訳ですから、建て終わった後から木の乾燥は進み、それに伴って収縮、変形が起こるのは極めて当たり前のことだったのです。

 こうした建築側からの要望を受け、乾燥材である輸入材に危機感を持った国内の林業関係者が、国産材の人工乾燥化に尽力した結果、今では国内のさまざまな山から乾燥化した国産材が出荷されるようになりました。

 特に静岡県では県が認定した工場から出荷される人工乾燥材を「しずおか優良木材」として、含水率以外にも形状やその他の品質も検査し合格したものだけを出荷するシステムができあがっています。

 またこの国産人工乾燥材の普及のために、県と市、両方で助成金の制度を設けています。(平成24年4月現在)もちろん構造材すべてにこの「しずおか優良木材」を使うアズの家は、助成金の対象となります。

 木材の乾燥方法の違いに関しては、2~3年かけて材を寝かせるだけの天然乾燥が良い、という意見もあります。

 家の材料として人工乾燥と比較した場合、どちらもメリット、デメリットがありますが、プレカット加工を前提とした家造りを行うアズでは、材1本1本のバラツキが少ない事とその品質が明示されているという2点の違いで、人工乾燥材である「しずおか優良木材」を採用しています。