なぜ浴室はカビルのか?

どう造るのか

浴室はなぜカビるのか?を考えてみましょう。

カビの最大にして唯一の原因は水と水蒸気です。住宅の中で唯一水と水蒸気を発生させる部屋だから、浴室はカビが発生するのです。

 だから浴室の壁がプラスチックか木材なのかという素材の違いが原因ではありません。つまり内装が自由な在来浴室がユニットバスよりカビやすいという事は無いのです。
 では、どうすればカビない浴室を造ることが出来るのでしょうか?
 それには、とにかく使用後に速やかに水と水蒸気を排出する構造にする事だけなのです。
「あら、私は毎晩使い終わると同時に換気扇を回しているわ。」という声が聞こえそうですが、これこそが皆さんがお持ちの大いなる誤解なのです。

『水は高きより低きに流る』当たり前の事ですが、これが水蒸気にも言えます。
 だからいくら使用直後に浴室の天井に付いている換気扇を回したところで、床下近くのものまでは排出できないし、ましてや窓の無いユニットバスだとすれば吸気できない換気扇はむなしくプロペラだけが回っているだけでいっこうに水蒸気の排出などしていないのです。かくして浴室は、数ヶ月でプラスチックの壁であってもむなしくカビてしまうのです。

 在来浴室の場合ここで有効なのが、坪庭の風景を楽しむために造る低い位置での大きな窓です。

 具体的には、浴槽や洗い場の高さいっぱいの低い位置に大きな開口が設置されることで、そこが水蒸気や湿気の排出口になります。機械の弱い力で引っ張るのではなく自然の通風によって排出されてしまうのです。具体的には浴室や風呂の使用後に出入り口と窓を空けておいていただくだけです。
 アズでは浴室に乾燥室の機能を持たせる上から、乾燥換気扇を設置していますが、この水蒸気排出のための換気扇使用はまったく考えていません。機械の力なんてその程度のものなんです。

 どうでしょうか、この説明で誤解は解けたでしょうか?にわかには信じられない、という方にもう一言。

アズは今年創業29年を迎えますが、この在来浴室を創業当時から(もちろん時代に合わせて改良工法を用いながらですが)施工しています。
 おかげさまで新築以来20数年、在来浴室のカビでクレームをいただいた事はありません。

 在来浴室に関しては、この実践に裏打ちされての主張だということも合わせてご理解ください。