なぜ、脱個室なのか?-4

2019.10.27
category: ブログ

 DVのもう一つの大きな問題は、子供へ与える影響が非常に大きいということです。

具体的には次の4点が挙げられています。

1、 子供が直接的な被害者になりうる・・・DV当事者のうち、子供がいる女性の約3分の2が子供への暴力が同時にあったと回答しています。

2、 暴力の目撃者になる・・・子供にとってこれは「心理的虐待」を受けるのと同じだといわれています。目の前で暴力を見せられることは、子供に極度の緊張と恐怖を与えることは容易に想像できます。

3、 暴力が世代から世代へと受け継がれていく・・・子は親を見て育ちます。男の子は「男は女を思う通りにしてよい」、女の子は「女は結婚が絶対。何があっても耐えるべき」と学んでしまうため、大人になる過程でその「刷り込まれた規範」が修正されない場合、親から子へ受け継がれていくことになります。

4、子供の安全な生活や発達が保障されない

 このような影響を考えれば、DVは子供たちにとってはまさに虐待であり、「児童虐待」や「アダルトチルドレン(AC)」という問題とも深く関係してきます。
 
 PTSD(心的外傷後ストレス障害)ということばを聞いたことはないでしょうか。
 DVというトラウマを体験した子供たちへの影響は計り知れません。発達段階によっても影響は異なりますが、幼いほどその障害は大きいといわれています。

 身体の傷は目に見えますが、心の傷は目に見えません。
またその深さも計り知れません。それはDVという出来事が終わってからでも、PTSDとして、さまざまな形であらわれます。