循環型社会の家造り-62

2019.02.27
category: ブログ

 日本家屋で昔から使われてきたこの「引き戸」は、常には開いている状態で必要なときにだけ閉めて空間を独立させることができます。
「開き戸」とはまったく逆の使い勝手になるこの「引き戸」が、開放的な「間」の家造りには絶対に必要なのです。

 また「引き戸」は、片引き戸、引き違い戸、引き収め戸とバリエーションが豊富で、用途によっていろいろな演出ができることも魅力です。
「引き戸」を大きくしていけばそのものを可動壁にすることさえ可能になります。

つまり壁さえも固定しているものでなく、必要に応じて動かせるものとして設計できるということです。
 さらに「引き戸」の概念は、今後進んでいく「バリアフリー」や「ユニバーサルデザイン」に通じるものであることも、ご理解いただきたいと思います。

3-8、可変性(フレキシビリテイ)を持つ間取り

 戦後の大量生産、大量消費によって造られてきた、工業生産品的住宅のもうひとつの弊害が「家の短命化」です。

 理由はさまざまにあるのですが、産業として拡大再生産を行うために、家を短命にして早いサイクルで家を建て直してもらう必要があった住宅産業界の政策に、まんまとはまってしまったと言うしかありません。

 かくして「家の寿命は30年」などと、勝手に言われてしまうようになりました。