循環型社会の家造り-74

2019.03.21
category: ブログ

4-3、だから自然素材

 住宅の材料として、工業生産品の対極にあるものがあります。

 それが、自然素材です。

 工業生産の新建材や合板でなくムクの木材、石油系の塗料ではなく蜜蝋ワックスや柿渋のような自然塗料、薬剤はけっして使わないという家造りです。

 自然素材による家造りというと、とても大げさに聞こえますが、何のことは無く、戦前まで日本で当たり前に行われてきた家造りなのです。
 自然素材は工場で化学物質の中から生まれた物でなく、自然にある土や植物などから作るのですから、本能的にからだに悪影響が無いということは理解できます。
 ではそれ以外には自然素材というのは、一般的にどんな特性があるのでしょうか?

 故村松貞次郎東京大学名誉教授は、「『やわらかいもの』が日本建築の素材の特徴である」と、述べられました。

 たしかに、茅、木、土、草、紙など、昔から住まいに使われてきた材料は、すべてやわらかくて軽いものばかりです。

 これらは顕微鏡で見てみると、穴だらけの素材です。
 つまり、内部に空気の層を多く含んでいるので、断熱性能があることと同時に、空気や水を吸ったり吐いたりする、いわゆる「呼吸する素材」なのです。