SDG’Sを目指して -20
2021.09.10含水率というのは木がどれくらいの水分を含んでいるのかを表す指標です。
もともと木は吸水性のある実質部と、空隙で構成されていますので(先ほど述べたストロー状の繊維のことです)吸水性があります。したがってまわりの温度や湿度によってその含水率を変えていきます。伐採されたばかりの木はまさに根から水を吸い上げている途中ですからかなりの水分を含んでいます。それを葉ガラシ乾燥(伐採された木を枝葉をつけたまま山中で半年から1年放置して乾燥させることを言います)させ、さらに野積みして乾燥させ製材した後に木材として出荷します。この標準材(これをグリーン材とも言います)と言われる従来の国産材で含水率は30~50%くらいになります。それを柱や梁に使って何年という月日が経つと最終的に木の含水率は10~15%くらいで落ち着きます。これが木の持つ含水率の平衡状態ですので、これ以降は増えも減りもしません。
これはすべての木材にいえることであり、すべて木というものは70~80%くらいの含水率の状態で伐採されてから、最終的には10~15%の含水率になっていくのです。
ここで問題になってくるのが、乾燥による収縮、変形です。
強度や伸び縮みに関係しない含水率というのがあります。それは30%以上の含水率です。つまり伐採されてから木材として出荷されるまでの含水率は、強度にも伸び縮みにもほとんど影響しません。ところが30%を切ってだんだんと乾いてくると、どんどん強度が上がってきます。そのかわり寸法もどんどん変化して収縮していきます。そして最終的に平衡状態に達するわけです。