SDG’Sを目指して -52【なぜ今、パッシブ住宅なのか?】

2021.09.25
category: ブログ

その仕掛けが「逆止弁」です。つまり『季の家』の給気口には逆流防止の弁が付いているのです。振り子の原理を応用したこの弁は、入ってくる風の力だけで動き、もちろん電気も機械も使いません。逆に出ようとする風の力で押し付けられて、弁がフタをする仕組みになっているのです。

また、基礎はベタ基礎になっていますので、いったん床下に入った空気は外気温よりも低い温度のコンクリートによって、温度が下げられます。

床下から入るばかりで出口のない涼しい空気は圧力を持ち、逃げ場を求めて上に押し上げられます。つまり床下から1階の壁内へ、壁内から天井裏へ、天井裏から2階の壁内へ、そして屋根裏へとです。

次は風の排出口です。当然、屋根裏のなるべく高い位置に、開閉可能な窓のかたちで取り付けます。このとき同じ位置で、南北対象に2ヵ所以上取り付けるのが原則で、実際に『季の家』では計4箇所の設置を標準仕様にしています。また、この開閉の動作を2階室内でできるように、ペアガラス仕様のジャロジーをチェーン操作で使っています。

さて、先ほど下からの圧力で風が上に運ばれると言いましたが、実際にはある程度の風がある日には、この排出口からの引き抜き効果のほうが高いかもしれません。