SDG’Sを目指して -73【なぜ今、のびやかな空間なのか?】

2021.10.06
category: ブログ

戦前のプライバシーを全面的に否定された悲しい経験を子供にさせまいと、親は子供に個室を与えカーペットを敷き、果てはエアコンを取り付けテレビまでも置き、まるで食事と風呂とトイレ以外は部屋から出るなといわんばかりの個室中心の家造りが、当たり前のようになってしまいました。

こうして数を確保するために住宅産業界から押し付けられた、効率化と規格化の象徴である○LDK住宅という概念を、人々はいとも簡単に受け入れてしまったのです。

高度経済成長下では、大量生産、大量消費が時代の流れでした。一家に1台だったテレビは2台、3台になり、一軒に1台だったエアコンは、各部屋に付けられるようになりました。エアコンの設置は人々に窓を閉める生活の快適性を与えました。

人々はますます部屋にこもり、世の中の喧騒と離れ、自分のプライバシーだけを大切にするような生活パターンにはまっていきました。