SDG’Sを目指して -93【なぜ今、自然素材なのか?】

2021.12.10
category: ブログ

故村松貞次郎東京大学名誉教授は、「『やわらかいもの』が日本建築の素材の特徴である」と、述べられました。

たしかに、茅、木、土、草、紙など、昔から住まいに使われてきた材料は、すべてやわらかくて軽いものばかりです。

これらは顕微鏡で見てみると、穴だらけの素材です。

つまり、内部に空気の層を多く含んでいるので、断熱性能があることと同時に、空気や水を吸ったり吐いたりする、いわゆる「呼吸する素材」なのです。

 

日本の住まいは、住まい自体を開放的に造るのと同時に、これらの呼吸する素材を総合的に配することで、「呼吸する住空間」をつくりだしていたのです。

シックハウスという問題が、住まいを密閉化して化学物質の素材を使ってきたことで発生したのとまったく対照的で、「呼吸する住空間」という考えがいかに健康的なのかが分かります。人間だって呼吸しなければ死んでしまうのですから、当たり前といえば当たり前の話ですよね。