循環型社会の家造り-21
2019.01.23
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ブログ
強度や伸び縮みに関係しない含水率というのがあります。
それは30%以上の含水率です。
つまり伐採されてから木材として出荷されるまでの含水率は、強度にも伸び縮みにもほとんど影響しません。
ところが30%を切ってだんだんと乾いてくると、どんどん強度が上がってきます。そのかわり寸法もどんどん変化して収縮していきます。
そして最終的に平衡状態に達するわけです。
このような特性を持つ木材は、どの状態のときに住宅資材として使われるべきでしょうか?
答えはもちろん平衡状態になったときです。
しかしながら前述の天然乾燥では、10年以上も倉庫の中で眠らせ続けるしかありません。
量も膨大なものになり、当然コストもかかってしまい現実問題としてはとても不可能です。
そこで機械で強制的に乾燥させる技術ができてきたのです。
輸入材では10年以上も前から使われていたこの技術が、国産材でもやっと使われだしました。
私は国産材が市場からソッポを向かれたいちばんの原因がこれであったと思っています。
住宅を造る側の立場からお客さんのためにより良い木造住宅を造ろうとすれば、より乾燥状態の良い木材を使うべきで、未乾燥材としてしか流通していなかった国産材を使うわけにはいかなかったからです。