循環型社会の家造り-76
2019.03.26
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ブログ
4-4、住まいと湿度
私たちの皮膚は、痛みを感じる痛点や温度を感じる温点や寒点という知覚点はありますが、大気中の乾湿を感じる知覚点はありません。
そんなことから、人は湿気環境やその変化に比較的関心が薄いのですが、湿気はじつにさまざまな影響を生活と健康に与えます。
過湿度状態は、アレルギーやアトピーの原因であるダニ、カビを繁殖、生育させ、私たちの健康に被害を与えます。
これまでの日本の住まいの環境の変化は、見方によっては、次々と生じる結露被害とその対策の繰り返しであったと見ることさえできます。
ところが最近になって、これまでとまるで反対の極度の乾燥状態が、住まいで生じるようになりました。
高気密化された住まいと、換気不足の住まい方、都市の大気の乾燥化やエアコン、床暖房の普及などによって、過乾燥現象が見られるようになったのです。
近年、インフルエンザ流行の折に、介護施設などで高齢者が集団で亡くなった事件は記憶に新しいところですが、これは極度の低湿度環境下でのウイルス感染の恐ろしさを、如実に伝えてくれました。
空気中に飛沫したインフルエンザウイルスは、相対湿度が50%以上だと比較的早く死滅してしまうのですが、35%以下では驚くほど長く生き続けることが分かっています。
まして抵抗力の衰えた高齢者ではたまったものではありません。