循環型社会の家造り-36
2019.02.04
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ブログ
2-6、住宅における「パッシブシステム」
では、住宅における具体的な「パッシブシステム」とは、どの様なものでしょうか。
太陽や風力、地熱などの自然エネルギーを、特別な機械装置を使わずに建築的手法だけで利用し、室内の特に温熱環境を高めるための手法を「パッシブシステム」といいます。
その中でも太陽(ソーラー)エネルギーを、利用したシステムを「パッシブソーラーシステム」と呼んでいます。
「パッシブシステム」は、特別な革新的な新技術を駆使した家造り、というものではありません。
むしろ軒庇や引き戸や植栽などの、昔から伝統的に使われていた知恵や技術を、総合的につまりパッシブに、利用したものと考えればよいでしょう。
特に「システム」という名前は、その仕組みが「集熱―蓄熱―分配―放熱」という一連のサイクルになっていることが必要なために、使われる言葉です。
いずれにせよ目指すものは、機械やエネルギーに頼らない、「夏ほどほどに涼しく、冬ほどほどに暖かい家造り」です。
間違えないでほしいのは、エアコンやストーブなどの機械設備の全否定ではないということです。
最初から機械ありきで家造りをするのではなく、建築的な手法で可能な限りの自然エネルギーを利用した後に、足りない部分を機械で補いましょう、という家造りなのです。