循環型社会の家造り-6

2019.01.18
category: ブログ

 二酸化炭素の吸収源である森林を積極的に伐採することがなぜ二酸化炭素の削減になるのか?この辺が皆さんの誤解を生じている原点であるので、ちょっと詳しく説明しておきます。

まず、「森林」には、『天然林』と『人工林』の2種類がある、という前提をご理解ください。

『天然林』とは、古代の昔から脈々と続いている人の手が入らない原生の森です。
人の手が入らないことで森としての機能を果たしてきた森ですから、この『天然林』こそ伐採してしまうことがいけない保護されなければならない森なのです。世界的に見れば日本は発展途上国の安いこの「保護されるべき森林」を濫伐して輸入している世界一の木材輸入国なのです。

かたや『人工林』とは、建築資材などの目的のために先代の人々が植林し、下草刈りや間伐作業などの多くの手を入れることによって育ててきた森です。
天然林とは逆に多くの人の手が入ることで森の機能を維持できる森なのです。
国内のこの「積極的に活用すべき森」がどんな状況であるのかは後で述べます。

環境問題が語られる際「環境保護のために木を切るな」といわれて問題になるのは『天然林』のことであり、これを『人工林』を含めた森林すべてと誤解されてしまうと伐採そのものが環境破壊と思われてしまいます。
国が期待する「積極伐採による二酸化炭素削減」とは、まさにこの『人工林』を対象にしてのことなのです。

日本において2つの森の構成は「天然林」が約50%弱、「人工林」が約50%強といったところです。国土の3分の2が森林であると言われていますので、この問題は環境問題であると同時に国土の3分の1以上に関する重要な問題だということです。