SDG’Sを目指して -57【なぜ今、パッシブ住宅なのか?】

2021.09.28
category: ブログ

さて、夏モードで開放していた壁体内通気のための床下の給気口と、屋根裏の排出口は冬モードでは閉められることになります。ともに手動式で開閉可能な構造になっていますので、窓を閉めるのと同じ感覚で容易に閉めることができます。

家自体の気密化を取り戻すのと同じように、壁体内の気密化も取り戻してあげます。

外気からは封入された空気が、壁に中でどのようになるのでしょうか?

南に面した壁側の空気は暖められ、上昇気流が生じます。反対に北側では冷たい空気が押し下げられ、下降気流が生じます。このわずかな気流によって封入された空気は絶えず動いていることになります。この動く空気によって内部の木材は呼吸し、乾燥状態を保ち腐朽菌を発生させず、結果として家が長持ちするのです。

また、北と南で空気が流動することで、壁内の温度差が均等になりますので、冬場に恐れられている北側の壁内の結露を抑える効果もあるのです。

 

以上のように冬モードに関しては、特に暖房の効果が顕著に上がるというものではありません。むしろ、結露などの冬場に起こっていた温度差や湿気による弊害から、構造体を守る効果のほうが大きいのです。